今回ホンダが中国で発表した電動バイクは現地でEB(Electric Bicycle=電動自転車)に区分され、最高速は25km/h以下とされている。
最近は日本にも同様の電動自転車が輸入されているが、国内では原付1種と同じ扱いになるので交通違反などのトラブルも多く、ホンダは日本へ導入しない方針を打ち出している。
ここで紹介するズーマーe:もEBで、スクータースタイルにも関わらずペダルも装備している。
それでも装備は自転車というよりバイクで、中国でのEBの豪華さを物語っているだろう。
約12万円という低価格でありながら、羨ましいことにスマートキーやクルーズコントロールまで装備しているのだ。
さらに、2眼の高輝度LEDヘッドライトや前後ディスクブレーキ、5段階調整可能なリアショック、切り替え可能なパワーモード、スマートホンとのBluetooth接続機能やGPSまで装備しており、日本の原付1種50ccスクーターとの差が歴然としている。
バッテリーは、着脱式でホンダが日本で展開しているホンダモバイルパワーパック(MPP)とは別もの。
スペックは48V/24Ahと発表されており、MPPの50.26V/26.1Ahに近い。
ズーマーe:の定格出力は0.35kW(約0.5PS)で日本の原付1種(0.6kW以下)の6割弱のパワーだが、90kmの航続距離と12度の登坂能力は魅力だ。
ZOOMER e: [HONDA] 2001年に発売された50ccのズーマーをモチーフにした電動バイク。
ズーマーはスクーターなのにネイキッドスタイルで世界的に人気となった。
価格は6099元(約11万9000円)だ。
ズーマーe:のカラーバリエーションは白、赤、緑、黒、灰の5色。
色数の多さも人気を物語っているだろう。
中国ではEB用の通行帯も用意されているという。
日本でヨコ乗り系と言われたスケボーやBMXが流行っていた時代にズーマーはデビューした。
中国でもそのようなイメージでズーマーe:をPRしている。
ズーマーと同じように丸型2眼のヘッドライトをズーマーe:も装備している。
従来型の電球式からLEDのヘッドライトやウインカーに装備がアップデートしている。
四角形のテールランプがX字で4分割された凝ったデザイン。
ズーマーのシート下は何もない空間だったが、ズーマーe:ではバッテリー収納スペースになっている。
フロントはディスクブレーキを採用。
ズーマーe:はリアもディスクで装備が豪華。
インホイールモーターを採用するがダックスe:やカブe:はリアドラムブレーキとなる。
12度の坂を登れることをアピール。
定格トルクは9Nmと発表されており、0.9kg-mに相当する。
この数値はヤマハのE-ビーノの最大トルク0.8kg-mよりも上だ。
液晶デジタルメーターを採用。
スピードや時計、
バッテリー残量などを表示する。
Bluetoothや着信、GPS受信、クルーズコントロールのアイコンも確認できる。
ハンドル左側にあるクルーズコントロールのスイッチ。
これで速度調整すると思われる。
ハンドル右側にはDとS(スポーツ)から選べるパワーモードのスイッチもある。
iPhoneやアンドロイド端末と連携して車両のステータスを確認できる。
電動自転車でこの装備はスゴイ。
メインスイッチやシートの施錠はスマートキーとダイヤルで操作できる。
物理キーも備えており、ダイヤル中央部に差し込むとキー操作が可能だ。
USBの充電ソケットもハンドルの下に用意している。
シートを開けるとこのようにバッテリーがセットされている。
バッテリーのスペックは48V-24Ahだ。
リチウムイオンバッテリーは着脱式で車両に積んだままでも、取り外しても充電可能だ。
ズーマーe:中国仕様主要諸元
・全長×全幅×全高:1710×765×1030mm
・ホイールベース:1220mm
・車重:54kg
・モーター:永久磁石
・定格出力:0.35kW
・定格トルク:9Nm
・バッテリー種類:リチウムイオン
・バッテリー電圧/容量:48V/24Ah
・1充電走行距離:90q
・ブレーキ:F=ディスク、R=ディスク
・タイヤ:F=90/90-10、R=90/90-10
・価格:6099元(約11万9000円)
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